先日、中学生の娘の国語の漢字の問題について聞かれたときのことです。
”『げんきゅう』を避ける” という漢字の問題で、『げんきゅう』って給料下げることやろ?と言われました。ん~確かに・・・『減給』は不利益変更になるから避けないとね、さすが社労士の娘!、と言いたいところでしたが、ちゃんと『言及』という漢字を教えました。
賃金制度の再構築では、不利益変更を伴うこともよくあります。
不利益変更の合理性は、労働者の不利益の程度、変更の必要性、変更後の内容の相当性、手続きの妥当性、その他の事情等を考慮して判断されます。
例えば、これまで一律昇給をしていた昇給制度から人事評価結果に応じて昇給・降給額を決定する制度に変更する場合、これまでより昇給額が高くなる人もいれば、低くなる人も出てきてしまいます。よって、一部の人にとっては不利益変更に該当することになり得ます。このような変更を合理的な変更とするためには、法人全体の昇給原資を下げないというのがポイントになります。
最低賃金が上がり、人件費のコントロールは今後さらに重要になります。一律昇給は、どんどん人件費を圧迫していきます。人事評価と賃金制度の再構築により、人件費のコントロールができるよう、法人に合う制度の再構築をさせていただいております。
また、労働組合がない法人であれば、しっかりと職員説明を行い、周知と理解を図ったかということも手続きの妥当性の判断ポイントになります。
『減給』について職員に『言及』されても、合理的説明ができるように、賃金制度はしっかりと検討して構築する必要があります。
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