コラム

年収の壁 当面の対応策②

~事業主の証明による被扶養者認定Q&A~

「年収の壁・支援強化パッケージ」の具体的取り組みに関してQ&Aが公開されています。https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2023/202310/1020.html

年収の壁に関して、130万円の壁の対応策である、「事業主の証明による被扶養者認定の円滑化」についてのご質問をよくいただくので、少しQ&Aについてピックアップさせていただきます。

Q1-5
今回の措置(事業主の証明による被扶養者認定の円滑化)は、人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入変動である旨の事業主の証明によって、健康保険組合等の保険者による円滑な被扶養者認定を可能にするとのことですが、「一時的な収入変動」と認められる上限額はいくらまででしょうか。
➨一時的な収入変動の上限を設けると、また新たな「壁」ができるので、具体的には示すことができないとのこと
雇用契約書等を踏まえて、当該増収が「一時的」かどうか確認をする

Q1-8
今回の措置(事業主の証明による被扶養者認定の円滑化)は、人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入変動である旨の事業主の証明によって、健康保険組合等の保険者による円滑な被扶養者認定を可能にするとのことですが、どのような事情であれば「一時的な収入変動」として認められるのでしょうか。
➨主に時間外勤務(残業)手当や臨時的に支払われる繁忙手当等が想定される


よって、上記のQ&Aの回答から、実務的に抑えるポイントとしては、
①労働時間数に関して
パートタイマー等の雇用契約書で定めている所定労働日数、時間を「通常」と考え、人員不足、業務の急な増加等に対して、「一時的」に働き方が変わったことによる増収であるか
②手当や一時金に関して
毎月決まって支給する手当ではなく、臨時で出す手当による増収であるか
例えば、毎年、処遇改善加算を一時金で出している場合。一時金であっても、臨時的とは言えません。

たまたま労働時間数が増えて、収入が増えてたんだけど、結局、それが3か月、4カ月・・・と続く状況になれば、もちろん、雇用契約内容の変更を検討しなければなりません。変更後の内容に応じて、配偶者の扶養の範囲となるのか、ご本人が社会保険加入する必要があるのかを判断いただく必要があります。

年末の就業調整について、少しは楽にはなるかと思われますが、この証明が使えるのは、連続2回までとなっており、時限措置になります。

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